映画史上に残るどんでん返しムービー!「ユージュアル・サツペクツ」を一回で理解する楽しみ方とは
こんにちは。映画ブログを運営しているみゆです。
つい最近ネットフリックスで、有名な「ユージュアル・サツペクツ」を視聴しました。
90年代アメリカで起こったギャング紛争を描いたこの映画、実は意外ととっつきにくい……なぜなら、昔の映画であること、またギャングについてあまり詳しくない人が見ると分かりにくい、などといった難点があるからです。
しかしこの映画を観た後、その第一印象は全て覆されました。いや本当に、この映画を観るためにこの時代に生まれてきたと言っても過言ではない! というくらい面白かった。
それではあらすじと感想、解説などを、そしてこの映画を500倍楽しむには!?そのちょっとしたアドバイスもしていきたいと思います!
あらすじ
キャスト
監督は「ボヘミアン・ラプソディー」「スーパーマンーリターンズー」「X-MEN」などを制作するブライアン・シンガー。今回の「ユージュアル・サツペクツ」で一躍注目を浴び、他にも第28回東京国際映画祭で審査委員長を務めています。
そして主演のケヴィン・スペイシーはアメリカの俳優、元芸術監督。「セブン」「ベイビー・ドライバー」「アメリカン・ビューティー」などに出演しています。(大好きな映画ばかりだ……!)
「アメリカン・ビューティー」と「ユージュアル・サツペクツ」でアカデミー賞主演男優賞を獲得しています。
ざっくりどんな映画か解説
物語は語り手のヴァーバルを中心に、5人のギャングにスポットが当てられます。
キートン……元刑事の前科者。過去に数々の犯罪に手を染めていた。組織のリーダー的存在
ホックニー……爆薬担当。すぐ仲間を裏切る
マクマナス……短気で攻撃的な銃使い
フェンスター……マクマナスの相棒。訛りが強い
ヴァーバル……左足に麻痺がある詐欺師。本名はロジャーだが、よく喋るため言葉(ヴァーバル)と呼ばれている
参考:Wikipedia
この5人がなんとも癖があって、それぞれキャラが経っている!そして女子からみてもかっこいい!
舞台は警察署で、ヴァーバルがクイヤン捜査官にサンペドロの船の事件の顛末を告白をする……というところから始まります。
その話では、刑務所で出会った5人のギャングが、主に元警察官・ディーンキートンを中心に300万ドルの宝石を狙おうという話でした。
ところが、弁護士のコバヤシ、そしてギャングのボスカイザーソゼの怪しい計画が浮上。5人はこのカイザーソゼに雇われる形となり、命を握られながらも、なんとか計画を遂行させようとする……という、一見よくあるギャングストーリー。
あまりBGMもないし、淡々と話が進んでいきます。
一度で全員の名前を覚えるのは大変なので、家で鑑賞できる方はメモ帳を持って整理することをオススメします。
この映画はいたるところに伏線がちりばめられているため、ん?と思ったことはメモにまとめて、一度停止して、「カイザーソゼはこの人なんじゃないか……」「キートンは本当に死んだのか?」など、推理してみるのも面白い。
感想
私はカイザーソゼは誰なのか?ということをずっと考えながらこの映画を見ていました。考えていたのは4説。
- ディーン・キートンがカイザーソゼ……警察を辞めた後に「悪魔」「人殺し」と言われているのが怪しい
- マクマナスがカイザーソゼ……拳銃を持っていたから 実は死んだふりをしていた
- コバヤシがカイザーソゼ……一番カイザーソゼに近い人物だから
- ヴァーバル、もしくはクイヤン捜査官がカイザーソゼ……理由はわからないけど一番どんでん返しといえばこのあたり
で、キートンがカイザーソゼなんじゃないかと疑う人は、この映画を観た人ではもの凄く多かったんじゃと思います。彼に一番焦点が当てられていましたから。
映画のラストで「キートンがカイザーソゼだったんだ!」というヴァーバルの脅えた告白、そして重厚なBGM、「やっぱりそうか」と確信をつくクイヤン捜査官。
ヴァーバルは言います。「自分は弱いから、助かった」と。そして警察に自分を守ってほしいと訴えます。クイヤンはその表情が演技ではないと信じ、ヴァーバルを仮釈放します。
そう、この映画はこのラスト数分で全て、覆ります。
ヴァーバルは荷物受け取りで金のライターを受け取ります。ここで視聴者が「ん?」となった一つの点ですよね。金のライター?弱者と言っておきながら、まるでマフィアのボスみたいじゃないか……と、置いてけぼりにさせておきながら、視点はクイヤンに移ります。
クイヤンが掲示板に貼られた指名手配の紙をふと見ると、そこには今までのストーリに出てきた単語があらゆるところにちりばめられている。
そして飲んでいたコップを見て、思わずそのコップを落としてしまいます。
そのコップの底には、「コバヤシ」と英語で書かれていたのです。
その瞬間クイヤン捜査官の頭の中で、ヴァーバルが話していた内容が全て蘇ります。彼が話していたことはその場の即興ーーーアドリブだったのです。
ヴァーバルは引きずっていた足を元気に動かし、颯爽と車の中に消えていきます。運転していたのは、物語で「コバヤシ」と名乗っていた人物。
「ソゼは凄い。自分の存在を謎にした。そして……He's gone(消えた)」
このヴァーバルの回想の一言で、物語はしっとりと終わりを迎えます。
いや~~~、おしゃれすぎる!まさか全てが嘘だったなんて!
そのトークスキルにも脱帽ですが、やはり注目したいのはケヴィンスペイシーの怪演。
下半身麻痺を持つおしゃべりで、ちょっと気の弱い人物を演じておきながら、ラスト5分で恐ろしい黒幕カイザーソゼの姿を現した。これは鳥肌ものでしたね。運転手がコバヤシの人だったのもカタルシスが利いてる……というのも、このコバヤシという人物は唯一主人公5人とカイザーソゼを繋ぐ、仲間とも敵とも言えない不気味な人物でした。
この人物がこの物語のスパイスになっているのは間違いなし。
能ある鷹は爪を隠すといいますが、まさに圧倒的な人心掌握力で、ヴァーバルは警察を騙したのです。
ヴァーバルはそもそも本当にカイザーソゼなのか、キートンは結局誰だったのか?
この物語で一番気になるところは、「ヴァーバル」「カイザーソゼ」「コバヤシ」「キートン」この4人だったと思います。
結局真相はなんなのか?
実はこの話、本当なのか嘘なのか。キートンは実在していたのか?
「嘘をつくときには、ちょっとずつ本当のことを混ぜるとよりリアリティになる」と言われているので、もしかしたら本当のことも含まれているのかもしれませんね。
個人的には、「ヴァーバル」=「カイザーソゼ」なのは間違いないと思っています。
カイザーソゼはこの話には嘘とは思えない妙にリアリティがある話だったので、この冷酷なカイザーソゼが、4人を粛正した、というのが、恐らく真実。
キートンは、ヴァーバルが本当に弱者であることを信じていたのではないでしょうか。そして弱者であったがゆえに逃がそうとした。その弱者が実は自分たちを脅していた黒幕で、自分を撃ったとしたらーーーもしそうだとしたら、黙って撃たれたキートンの心情は計り知れません。
ただ、仲介人のレッドフッドもヴァーバルが考えた偽の人物だったため、実際どこまでが本当でどこまでが嘘なのか本当にわからないんですよね。
多分「カイザーソゼ」という名前も偽名だと思います(コバヤシが偽名だったので、あくまで予想ですが……)そうだとすると、一瞬でカイザーソゼという名前を印象つけた彼の話術に驚かされますね……。
話はキートン=カイザーソゼでまとまるように作られていた訳ですから、当然「この話はキートンが黒幕だ」となるわけです。でもそれって当たり前なんですよね。だってヴァーバルの脚本では確かにキートンを黒幕で設定しているんだから。
その話が脚本(嘘)だと理解した時の捜査官の悔しそうな顔!そして駆けつけた時にはすでにヴァーバルの姿はなかったーーーこの演出、本当にしびれます。
とはいえ、じっとみるのが辛い人には合わない作品かも
しっかり最初から最後まで観た人だけが、ラスト5分の快感を味わう、いわゆる我慢大会みたいになってしまうのも事実。そのため、何回か繰り返し観ることをお勧めします(私は1回目で退屈してしまい、2回目で真剣に観ました)
ちなみにマグショットのあのシーンはアドリブらしいですね……妙にイカれてんな~と思っていたのですが、この「キーをよこせ チンポコ野郎」というセリフは、単に笑わせたかったとか(笑)そしてキャラに合った言い方をそれぞれするのがとても面白いシーンとなっています。その言い回しは是非本編を見ていただきたいと思います!
最後に もう「頼むからみんな観て」としか言えない名作
自分は「ストレンジャー・シングス」「進撃の巨人」のように、伏線を回収していくミステリーものが大好きで、自身の創作活動にもかなり取り入れています。
「あ!それってそうだったんだ!」と分かったときの、あの脳汁が出る感じ……たまりません。そのなし汁ブシャー感を是非この映画で味わってほしい。
ここまで読んでいただきありがとうございました!普段は映画やドラマの感想、考察を書いています
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